疲れていないから大丈夫? 疲労感と身体の疲れを考えてみる
体が変われば、心も変わる。
一時的な技術ではなく、自ら体感し、自らの足で立つこと。
心と体の連動を骨格から紐解き、人生を再起動するサロン&スクール
tae Aromatherapy & Treatment / tae Therapist School
【9月18日金曜日】

疲れていないから大丈夫? 疲労感と身体の疲れを考えてみる
先日、トリートメントを受けに来られたお客様とのカウンセリングで、こんなお話がありました。
「最近、疲れているんです。でも、私ってそんなに働いていないし、そんなに動いてもいないんですよね。だから、気のせいなのかな。本当は、そんなにしんどくないのかも」
「もっと忙しく働いている人もいるし……」
そんなふうに、ご自身の疲れを少し低く見積もっているようでした。
ところが、実際にトリートメントを始めてみると、印象はかなり違いました。
呼吸の状態、
筋肉の緊張、
身体の動きなどを確認しながら触れていくと、明らかに休息が必要な状態でした。
もちろん、トリートメントで疲労の程度を診断できるわけではありません。
ただここに、とても興味深いことがあります。
「自分では、それほど疲れていないと思っている状態」
と
「身体に現れている状態」
が一致しないことがある。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
疲労は「どれだけ動いたか」だけでは決まらない
私たちは疲れを考えるとき、
「今日はたくさん歩いた」
「仕事が忙しかった」
「重いものを持った」など、身体をどれだけ使ったかを基準にしがちです。
でも、疲労は身体活動だけで説明できるものではありません。
医学・心理学の研究では、疲労には身体的な側面だけでなく、
精神的な負荷、
認知的な負荷、
感情、
睡眠など、さまざまな要素が関係すると考えられています。
たとえば
仕事はそれほど忙しくないけれど、ずっと人間関係を考えていた
家族のことで気を張っていた
将来のことが心配で頭が休まらない
睡眠時間は確保していても、眠りの質がよくない
痛みや不調を我慢しながら過ごしている
こうした状態でも、心身には負荷がかかります。
「今日はあまり動いていないから、疲れるはずがない」とは限らないのです。
「疲労」と「眠気」も同じではありません
もう一つ知っておきたいのが、「疲れ」と「眠気」は別の感覚だということです。
睡眠医学では:
疲労(fatigue)と眠気(sleepiness)は関連しながらも、異なる概念として研究されています。
たとえば、「眠くて横になりたい」
と、
「身体が重くて何もしたくない」
は、どちらも日常会話では「疲れた」と表現できます。
しかし、背景にあるものは同じとは限りません。
そのため、単純に「疲れたから寝ればいい」と考えるだけでは、
身体の状態を十分に捉えられない場合があるのです。
なぜ、自分の疲れを小さくしてしまうのか
今回のお客様の言葉で印象に残ったのは、
「私なんて、そんなに働いていないから」.....という部分でした。
これは決して珍しいことではありません。
「もっと大変な人がいる」
「このくらいは普通」
「仕事をしていない時間もあるのだから」
「これくらいで疲れたと言うのはどうなんだろう」
そんな基準を持っていると、自分の状態を判断するときに、
いつの間にか「何をしたか」が中心になってしまいます。
でも、身体の状態を決めるのは、活動量だけではありません。
「何をしたから疲れたのか」
だけでなく、
「今、どんな状態なのか」
を見ることが大切だと思うのです。
トリートメントで分かること、そして、分からないこと
セラピストは、診断をすることはできません。
それでも、カウンセリングで話をお聞きし、
姿勢や動きを観て、
実際に触れることで、その日の身体の状態を一緒に確認することができます。
たとえば、本人は「それほどでもない」と思っていたのに、施術が始まると、
「そこ、こんなに硬かったんですね」
「自分では気づいていませんでした」
「呼吸が浅かったんですね」
と気づき、おっしゃることがあります。
反対に、強い疲労感があっても、原因が身体的な負荷だけとは限りません。
だからこそtae aromaでは、施術だけで判断するのではなく、
話を聞くことと身体を観察することの両方を大切にしています。
「疲れた」と言えることも、身体を守る一歩
疲労感は、単なる気分の問題として片づけられるものではありません。
一方で、疲労感だけから病気の有無を判断することもできません。
私が必要だと思うのは、
「疲れているから病気かもしれない」と心配しすぎることでも、
「何もしていないのだから、疲れるはずがない」と否定することでもないと思います。
まずは、
「今日は少し疲れているな」と、その感覚をそのまま受け取ってみる。
そして、
「最近、眠れてるかな」
「食事はきちんと取れているかな」
「痛いところを我慢していないかな」
「仕事以外のことで気を張っていないかな」
と振り返ってみる。
それでも強い疲労が続く、日常生活に支障がある、
ほかの症状を伴っているという場合には、医療機関にも相談してみる。
そんな風に、段階を分けて考えるとよいと思います。
今回のお客様も、「疲れている」という最初の感覚を「気のせいかもしれない」と打ち消さずに、
身体を確認する時間を持てたことには意味があったのだと思います。
忙しく働いた日だけが、休むべき日ではありません。
自分の生活を振り返って、「今の私には休息が必要かもしれない」と判断する。
それも、自分の身体を大切にする方法の一つです。
参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16376590/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34589772/
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3589241/?utm_source=chatgpt.com
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