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「膝が痛い」のサインに耳を澄ませて

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「膝が痛い」のサインに耳を澄ませて


「膝が痛い」のサインに耳を澄ませて

アラフィフ女性の体と向き合う時間

先日、長年通ってくださっているアラフィフのお客様から「ストレッチ中に急に膝に痛みを感じた」とのご相談がありました。

  • 日々のストレッチや香りの瞑想を欠かさず、来年はお子さんの大学・高校受験も控えている中、ご自身の健康管理にも真摯に向き合っていらっしゃる方です。


膝の痛みは、単なる「使いすぎ」や「年齢のせい」と片付けてしまいがちですが、実は体の使い方や筋肉のバランス、足元の選び方が密接に関係しています。

今回は、動かせる骨格模型「桜さん」と一緒に、膝の痛みの背景と、今できるケアについてお話ししました。



骨格模型・桜さんと見る「膝の痛みの正体」

膝は、太もも(大腿骨)とすね(脛骨)をつなぐ関節で、体重を支えながら曲げ伸ばしを繰り返す、非常に酷使される部位です。

  1. 桜さんを使って動きを確認すると、膝そのものに問題があるというよりも、周辺の筋肉の使い方に偏りがあることが見えてきました。

  2. お客様は、股関節の可動域は十分にあるものの、コア(体幹)の筋肉が弱くなっており内ももの筋肉(内転筋)を使う機会がほとんどありません。

  3. その結果、脚の外側に頼って歩くクセがつき、膝の外側に負担が集中していたのです。



有酸素運動の不足とホルモンの変化

アラフィフ世代になると、女性ホルモンの分泌が徐々に減少し、それに伴って筋肉量や骨密度も低下していきます。

  1. ストレッチは素晴らしい習慣ですが、それだけでは筋肉の維持には不十分です。

  2. 特に有酸素運動が少ないと、血流や代謝が滞り、筋肉の柔軟性や回復力も落ちてしまいます。

  3. また、足首の柔軟性が低下し、足裏の内在筋(足のアーチを支える小さな筋肉)も使えていない状態でした。

  4. これは、歩行時の衝撃吸収がうまくいかず、膝に直接負担がかかる原因にもなります。



バレエシューズからスニーカーへ__足元の選択が体を変える

このお客様は、以前はバレエシューズを長年愛用されていました。

  • 軽くて履きやすく、見た目も上品ですよね。しかし、足裏のサポートがほとんどないため、長時間の歩行や立ち仕事には向いていません。

一年ほど前、スニーカーへの切り替えをおすすめしたところ、現在は通勤や仕事でもスニーカーを活用されています。

  1. 「最近になって、バレエシューズが楽だと思っていたけれど、実は足に負担がかかっていることがわかった」と素直に教えてくださいました。

  2. 時々バレエシューズを履いてみると、足の疲れや違和感が明確に感じられるようになったそうです。

  3. 足元の見直しは、ほんの小さな変化ですが、体全体の使い方や感覚に大きな影響を与えるのです。



今できるケア__内転筋と足裏の筋肉を育てる

膝の痛みを予防・改善するためには、以下のようなエクササイズが有効です。

① 内転筋を目覚めさせる「ボール挟みエクササイズ」

  1. 椅子に座り、膝の間に柔らかいボール(またはクッション)を挟みます。

  2. 息を吐きながらギュッとボールを押しつぶすように力を入れ、5秒キープ。これを10回繰り返します。

  3. 内ももに意識を向けることで、歩行時のバランスが整います。

② 足裏の感覚を呼び覚ます「硬めのボールでコロコロ」

ゴルフボールやツボ押し用の硬めのボールを足裏に置き、座った姿勢でゆっくりと前後に転がします。

  1. 特にMP関節(足指の付け根)に意識を向けながら行うことで、足裏の内在筋が刺激され、アーチの支えが強化されます。

  2. 短時間でも「痛気持ちいい」感覚が得られ、誰でも簡単に取り入れられる方法です。

  3. タオルギャザーも良いですが、こちらの方が手軽で効果を実感しやすい方が多い印象です。

③ 足首の柔軟性を高める「アキレス腱ストレッチ」

  1. 壁に手をつき、片足を後ろに引いてアキレス腱を伸ばします。

  2. かかとを床につけたまま、前足に体重をかけて10秒キープ。

  3. 左右交互に行いましょう。

  4. 足首の柔軟性が高まることで、膝への負担が軽減されます。

④ 内転筋を目覚めさせる「ストレッチポールで内もも刺激」

  1. 短めのストレッチポールを用意し、伏臥位(うつ伏せ)になって片脚を90度に曲げます。

  2. 膝側から太ももの内側にかけて、3か所程度に分けてポールを当て、ゆっくりと体重を乗せながら刺激します。

  3. 筋肉の深部に届くような「痛気持ちいい」感覚が得られ、内転筋の活性化に繋がります。特に、普段使われにくい内ももに意識を向けることで、歩行時の安定性や膝への負担軽減にも効果的です。

  4. この方法は、ストレッチポールがあれば誰でも簡単に取り入れられ、短時間でもしっかりと筋肉にアプローチできます。



まとめ__「膝の痛み」は体の声

膝の痛みは、体が発する「ちょっと待って」のサインです。

無理をして動かすのではなく、どこに負担がかかっているのかを見極め、必要な筋肉を育てることが大切です。

そして、足元の選び方ひとつで、体の使い方や感覚が大きく変わることを、今回のお客様の気づきが教えてくれました。バレエシューズの軽やかさも素敵ですが、日常の動きにはしっかりと支えてくれる靴が必要です。

桜さんと一緒に骨格の動きを見ながら、体の声に耳を澄ませる時間__それは、アラフィフ世代の女性が、自分自身を大切にするための第一歩なのかもしれません。




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